参照画像は「同じ画像を複製する」機能ではありません。揃えたい色、余白、構図、光、質感を視覚で伝え、言葉の指示を補うために使います。今回はBanasで同じプロンプト、Light品質、16:9、1枚生成を固定し、参照画像の有無だけを変えて結果を観察しました。
先に揃える要素を2〜3個へ絞る
「ブランドらしく」だけでは判断できません。基調色、余白の広さ、主役の位置、光の方向、写真の質感、装飾密度へ分けます。今回の参照画像では、深いコバルトブルー、波形の商品、斜めの硬い光、右側の深墨余白、疎な構図を観察対象にしました。

参照画像だけに任せず言葉でも固定する
参照画像を添付して「この雰囲気で」とだけ書くと、何を残すべきか曖昧です。今回は商品、位置、余白、色、光、文字、禁止事項を同じプロンプトで指定しました。
架空のデスクオーガナイザー「NAMI」の16:9広告。
主役はマットホワイトの波形デスクトレー1点。
商品を左3分の1に配置し、右側に大きなコピー余白。
深いコバルトブルー、白、深墨。硬い斜めの光。
文字は「静けさを、置く。」「NAMI」の2つだけ。
人物、既存ブランド、価格、余分な文字、透かしは禁止。
参照なしで基準結果を作る

最初に参照なしで1枚生成し、言葉だけでどこまで条件が伝わるかを確認します。参照ありの結果を先に見て基準を変えないよう、比較項目は生成前に決めます。

同じ条件へ参照画像だけを追加する
次にプロンプト、品質、比率、枚数を変えず、参照画像だけを追加しました。Banasの入力には参照トークン「image1」が挿入されています。


参照なし・ありを4項目で比較する
| 確認項目 | 参照なし | 参照あり |
|---|---|---|
| 色 | 青・白・深墨を維持 | コバルト光と深墨の面が参照へ近い |
| 余白 | 右側のコピー余白あり | 右側の広い余白を維持 |
| 商品形状 | 区画付き収納トレーへ変化 | 低い波形を維持 |
| 構図・光 | 正面寄りで均一 | 斜め光と疎な配置が参照へ近い |
両方とも「静けさを、置く。」「NAMI」は判読できましたが、字間には差があります。文字の正確さとブランドトーンは別項目として確認します。

参照画像を使うときの限界
- 同じ参照画像でも毎回同じ結果になるとは限らない
- seedを固定できない比較では、参照画像だけの厳密な因果を証明できない
- 色が近くても商品形状、文字、細部が崩れる場合がある
- 他社ロゴ、著名キャラクター、特定作家の表現を再現する用途には使わない
- 参照素材の利用権、人物の同意、商標を事前に確認する
チームで再利用できる記録を残す
参照画像だけでなく、揃える項目、固定プロンプト、参照なし・ありの結果、採用・差し戻し理由を一緒に残します。「青を合わせる」ではなく、「深いコバルト、右側の深墨余白、斜めの硬い光」のように観察語へ戻すと、次の担当者も判断を再現しやすくなります。
指示の分解は画像生成AIプロンプトの書き方、参照後の局所修正はAI画像の一部だけを修正する方法を参照してください。